デスサイズ
如月高校 校門前
一緒に登校してきた黒斗と鈴。2人の後を着いてくるリン。
「さてと。ほな、リン。家に帰らんとアカンで、ここは学校なんやからな」
「ミー」
座り込んで首を傾げるリン。
「ええ子やから、ちゃんと家で待ってるんやで! 帰ったら、いっぱい遊ぼな!」
「ミャーン」
鈴がそう言うとリンはこちらに背を向けて走り去っていき、向こうから歩いてきた大神とすれ違った。
「おはよーさん、大神くん!」
手を振って声をかける鈴だが、大神は挨拶を返すことなく横を通り抜ける。
失礼な態度をとる大神に黒斗はチッ、と大きく舌打ちをする。
「ちょっ、聞こえるで!」
「聞こえるようにしたんだよ」
忌々しげに見つめてくる視線を感じたのか、大神は足を止め、こちらを振り向いた。
その眼には、明らかに怒気が含まれている。
「堪忍な、大神くん! クロちゃん、ひねくれとるから許したってやー」
「…………」
鈴が間に入って仲裁するが、大神は無言のままだ。