王子と魔女の恋御伽
said 朱里


「ここ、か。」


たどりついた目的地を前に、手に持った資料を見る。


「斉藤ことね。 17歳。

地元の女子高に進学、現在は原因不明の病で入院中、ね。」


時刻は夜の10時。


目の前に聳え立つのは今回の”ターゲット”斉藤ことねがいるとされる大きな病院。


私は静かに院内に入り、彼女のいる病室へ向かう。


この時間の面会は許されていないので私は死角を利用しながら誰にも会うことはなく彼女の病室の前までたどり着いた。


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