誰にも負けないくらい好きです
「何で気づいたの?」

私だって気づかなかったのに
まあ、掴まれてた時は確かに痛かったけどさ
流石にこうなっているとは思わなかった。

「いや、何となく。結構あいつ力入れてたし。その証拠に掴んでいた手に血管が浮き上がってた。」

おい…………。
あいつ本当に力入れてたんだな。

そっと伸びているチャラ男を睨みつけた。


「ありがとう。」

「いや、むしろごめん。」

何で謝んの?
助けてくれて感謝しきれないのに


「遅れた。そのせいでその怪我出来ちゃったし………」

「でも、助けてくれてなかったら今頃どうなっていたことか………。
だから、責めないでね!!
ありがとう。」

少し悔やんだ、苦しそうな顔をしながら

「ん。」

と、返してきた。



本当に大丈夫なのに
どうしてそんなに苦しそうな顔をするの?

そんな疑問も、あったけど

「送ってく。」

と、普段のポーカーフェイスに戻っちゃったから何も言えなかった。




< 146 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop