誰にも負けないくらい好きです
「なるほどね……。

じゃあ、誰がかしら貴方の無くした記憶を隠しているってことか……」


ぽつりと呟いた先輩。


「どういう事ですか?」


「だって、そうでしょ?

貴方だけを見つめる記憶ないことなんて、知っている人沢山いるでしょ?

中学のころって友達朱里ちゃんしかいなかったんだっけ?」


「はい……」


「じゃあ、手がかりは少ないとは思うけど
少なくても貴方のご両親なら、知っているはずでしょ?

その朱里ちゃんとか、大和くんだって、知っているはずだよ。」


先輩に言われて初めて気づく。


でも、


「そんな素振りなんてありませんでしたよ?
4年間気付かずに生きていけるんでしょうか?」


「記憶喪失なんだから、その思い出させるような言葉を言わなければわかんないもんでしょ。」

そういうものなのかな?


「そうですよね、………分かりました。
自分でやれることはやっておきたいと思います。

ありがとうございました。」


「いいのよ、早く元気になって貰わないとね、
トランペットのイキイキした音が聞きたいしさ」


やっぱり先輩、部活大好きみたいですね


なんて思っているとき


「あー、何してるんだろう…
思い出して欲しくないのに、

思い出しても、壊れないでよ……」



何て呟いていたことは知らない

















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