シルビア
「ちょっと……薬って、まためまい?大丈夫なの?」
「大丈夫だから。気にしないで」
「でも病院に通うってよっぽどなんじゃないの?」
病院に通って、薬も処方されて……って、ちょっと具合悪いってくらいではないよね?
心配する気持ちから、望の腕を引き留めようとするものの、手は思い切り振り払われる。
「……凛花には、関係ないから」
真剣な顔で小さくつぶやかれたそれは、拒絶。
「そう……だよね、」
「あっ、ごめん!そうじゃなくて……」
すぐいつも通りの顔になるものの、それ以上望と会話をせず私はトイレへと向かった。
『関係ない』
はっきりと、“他人”と線を引かれた気がした。
いつだって望は、私には何も話してくれない。
話す価値もない?他の人にだったら、話せる?
……元彼女には関係ないってわかってる、けどさ。
わかってる、わかってる、そう心で繰り返しながら、その拒絶に傷ついている自分がいる。