シルビア
『望、病院行ったんだって?どうだった?』
『あー……なんか病気らしくて。あ、でも今のところ今まで通りの生活でいいって』
『え……、病気……?』
けれど、それを話した当時の彼女は、明らかに気を遣い腫れ物のように扱った。
少し風邪をひいただけで過剰に心配したり、これまでしていたことを、『やめたほうがいいんじゃない』と避けさせたり。
明らかに俺を“病人”として扱い、最後には『気遣うのが疲れた』と去っていってしまった。
そんな勝手な、そう思うと同時に、あぁ、自分の存在がそうさせるのかと知った。
病人だから気を遣い、腫れ物に触れるように接してしまう。俺が、そうさせている。
そう気付いてから、俺は身体のことを周囲に隠すようにした。
それは、『自分が病気なわけなんてない』、そう自身に忘れさせるためにも。