シルビア




弱くて、情けない、こんな俺に凛花は全てを受け入れると言い切ってくれた。

離さない、と、なによりも真っ直ぐな目で見つめて、想いを伝えてくれた。



頑固な彼女は、きっとこれまでのような嘘や言い訳では逃がしてくれないだろう。

困る。本当に、困るよ。いつだって、凛花は凛花らしくて、そんなところも全部好きなんだから。



観念したように全てを話した俺に、凛花は泣いて、怒った。

俺の目が見えなくなったら、凛花が俺の目に。

俺がひとりで立ち上がれなくなったら、隣で支えて立ち上がらせる。それでもつらいなら、おぶってみせる。



『どんなことだって、大変だろうと苦しくなんてないよ。それでも、望の気持ちがここにあるなら』



だから全部伝えてほしい、と、言ってくれたから。



だからやっと決意できたよ。



この先沢山情けない姿をみせるかもしれない。迷惑をかけることも、悲しませることもあるだろう。

その度、ごめんと繰り返して、互いを責めることもあるかもしれない。



だけど、それでも、凛花と一生をともにすること。

それでも、君と生きていたいんだ。

最初で最後の、俺の願い。




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