シルビア
大丈夫、信じて。
この想いは揺らがない。なによりも、強く。
青空の下。
海沿いの小さなチャペルでは、パイプオルガンの澄んだ音とともに穏やかな声が響き渡る。
目の前には、真っ白なドレスを着た凛花の姿。
ベールからうっすらと透けるのは、キラキラと光るアイシャドウに、淡いピンク色の唇。
それは、夢にまで見た美しい姿。
「あなたは、健康な時もそうでない時も、この人を愛し敬い、その命の限り節操を守ることを誓いますか?」
「はい、誓います」
迷いなく頷き、互いの指にはめる指輪は、ふたりで選んだシンプルなシルバーのデザインのもの。それは、愛の証を意味して。
誓うよ。
どんな時も君を愛し敬い、命の限り、いや命尽きても、この気持ちを失わないと。
「それでは、誓いのキスを」
鐘の音とともに交わしたキスは優しく、ふたりの未来を明るく照らしていた。