ユウウコララマハイル
冷やし中華を運ぼうとすると、さり気なく古沢がリビングに持って行ってしまった。
ナツミは箸とタレを持って後ろを追いかける。
「その小井土さんの家で中村の、子供の頃の写真を見たんだ」
咄嗟のことで脳裏に疑問符が浮かんだが、言葉を理解していくうちに胸にちくりとナイフが刺さったような息苦しさを感じた。
ナツミは思わずそこを押さえる。
「ったく、あのオバサン余計なことを―――」
親子そろって思ったこと、思い浮かんだことをすぐ口に出すタイプなので、言葉を選ばない。
ナツミにとって不都合なこともすべらかに話してしまったのかもしれない。
「お前、兄さんいたんだな」
古沢は呟くように言ったあと、いただきますと手をあわせた。
その様子がナツミには気落ちしているように見える。
古沢と会ってからかれこれ八年以上、一緒に暮らして二年は経つが初めて知ったのだろう。
ナツミにとっては聞かれなかったから話さなかったということが大前提であるとしても、言っておくべきことだったのかもしれない。
なにかしらの衝撃を古沢に与えてしまった。
めんどくさいなぁとナツミは頭を掻いた。
今さらのような気がする。
ナツミは箸とタレを持って後ろを追いかける。
「その小井土さんの家で中村の、子供の頃の写真を見たんだ」
咄嗟のことで脳裏に疑問符が浮かんだが、言葉を理解していくうちに胸にちくりとナイフが刺さったような息苦しさを感じた。
ナツミは思わずそこを押さえる。
「ったく、あのオバサン余計なことを―――」
親子そろって思ったこと、思い浮かんだことをすぐ口に出すタイプなので、言葉を選ばない。
ナツミにとって不都合なこともすべらかに話してしまったのかもしれない。
「お前、兄さんいたんだな」
古沢は呟くように言ったあと、いただきますと手をあわせた。
その様子がナツミには気落ちしているように見える。
古沢と会ってからかれこれ八年以上、一緒に暮らして二年は経つが初めて知ったのだろう。
ナツミにとっては聞かれなかったから話さなかったということが大前提であるとしても、言っておくべきことだったのかもしれない。
なにかしらの衝撃を古沢に与えてしまった。
めんどくさいなぁとナツミは頭を掻いた。
今さらのような気がする。