ユウウコララマハイル
パソコン画面を長時間見続けたせいか目が霞む。
目薬を差し、もうひとふんばりと思ったが、集中が途切れたので珈琲を注ぎに席を立つ。
フロアを見渡すと大分人数が減った。
さすがに連続残業は過酷すぎたのか、明日からゴールデンウイーク後半戦が始まるためなのか、十一時を過ぎた頃合に連れションでも行くように「俺も、私も」と帰っていった。
珈琲メーカーの前で音を立てながら飲んでいると、ナツミと視線をあわせるようにパソコンから顔を上げる後輩が数名。
帰りそびれた者たちだ。
ナツミは珈琲の芳しい香りを嗅ぎながら目配せする。
たちどころにシャットダウンする音が聞えて、「お先に失礼します」と仏頂面の上司に次々に声をかけていく。
「いつもすいません」
「気にしなくていいよ。それより気をつけて帰ってね。明日はゆっくり休むといいよ。でも明後日はよろしくね」
青白い顔色の後輩らが「わかってます」とナツミの前で一礼して部屋から出て行く。
フロアに残ったのは同期の上司だけだ。
古沢は社内では異例のスピードで昇格し、部長補佐になっている。
それだけ入退社が激しい部署だということもあるだろうが、なにより勤勉さが評価されたのだと思う。
目薬を差し、もうひとふんばりと思ったが、集中が途切れたので珈琲を注ぎに席を立つ。
フロアを見渡すと大分人数が減った。
さすがに連続残業は過酷すぎたのか、明日からゴールデンウイーク後半戦が始まるためなのか、十一時を過ぎた頃合に連れションでも行くように「俺も、私も」と帰っていった。
珈琲メーカーの前で音を立てながら飲んでいると、ナツミと視線をあわせるようにパソコンから顔を上げる後輩が数名。
帰りそびれた者たちだ。
ナツミは珈琲の芳しい香りを嗅ぎながら目配せする。
たちどころにシャットダウンする音が聞えて、「お先に失礼します」と仏頂面の上司に次々に声をかけていく。
「いつもすいません」
「気にしなくていいよ。それより気をつけて帰ってね。明日はゆっくり休むといいよ。でも明後日はよろしくね」
青白い顔色の後輩らが「わかってます」とナツミの前で一礼して部屋から出て行く。
フロアに残ったのは同期の上司だけだ。
古沢は社内では異例のスピードで昇格し、部長補佐になっている。
それだけ入退社が激しい部署だということもあるだろうが、なにより勤勉さが評価されたのだと思う。