ユウウコララマハイル
「こういうのも、できるの?」


古沢はどうやったらこうなるのと難解なほどに紙の詰まったコピー機を使えるようにしたり、冷房が利きすぎると問題視されたエアコンの噴出し口を弄って調節していたりする。
そういったよいことはどんどん人に見せればいいものの、恥ずかしがり屋なのか陰でこっそりやっている。


「少なくとも中村より器用だよ」
「知ってる。でももう中のお札もないし、寿命かなと思ってゴミ箱行きにしようかと思ってるんだ。古沢に仕事以外のことで手を煩わすわけにもいかないでしょ」


古沢が冷め切った珈琲を飲んでいる。
ナツミが入れてから長時間放置されていたから、表面に埃が浮いていると思うのだが。


「捨てるんだったら問題ないだろ。俺がなにしても」


差し出された手は引っ込むことはなく、ナツミはその手のひらに汚いお守りを乗せた。




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