ユウウコララマハイル
「お互い引っ込みがつかなかったんだろうね。お陰で僕からナツミちゃんに贈るということで落ち着いたんだよ」
「今回は私が受け取ることが、一番なんでしょうね。わかりました。私経由で必ず古沢に渡します」
ナツミは盛大な溜息をついて「私も甘いなぁ」とマスターからお礼を受け取った。
「おばあさんに大切に使いますとお伝えください。あと、これからのお礼は古沢をめいっぱい困らすことで充分ですよって」
マスターが首をかしげている。
「どうしてなのか理由、聞いてもいい?」
「古沢、無類のおばあちゃん子なんですよ。まぁおばあちゃんに育てられたってこともあるんでしょうけど」
私古沢のことだけは口が軽いんですと前置きをする。
「古沢のおばあちゃん、相当苦労して古沢のこと育てたみたいです。親孝行というか、おばあちゃんを楽させるためにがむしゃらに都内で働いてお金貯めてたみたいなんですけど、そのおばあちゃんに振られちゃったらしいです。“自分は東京に行かない”とか“そのお金は受け取れない”って。その振られた数日後におばあちゃん亡くなってるんですよ。それが入社三年目くらいじゃなかったかなぁ。その頃まではまともに話したことがなかったんですよね、古沢とは。私も積極的に関わろうとは思わなかったし」
そのきっかけは古沢にとって不名誉だと思うので濁しておく。
マスターもなにかを察してか、掘り下げることをしなかった。
「だから古沢は、おばあちゃん孝行したくて、したくて、したいんですよ。だからおばあさんがその代わりをしてくれると、古沢も助かるんじゃないかなぁって思います」
「今回は私が受け取ることが、一番なんでしょうね。わかりました。私経由で必ず古沢に渡します」
ナツミは盛大な溜息をついて「私も甘いなぁ」とマスターからお礼を受け取った。
「おばあさんに大切に使いますとお伝えください。あと、これからのお礼は古沢をめいっぱい困らすことで充分ですよって」
マスターが首をかしげている。
「どうしてなのか理由、聞いてもいい?」
「古沢、無類のおばあちゃん子なんですよ。まぁおばあちゃんに育てられたってこともあるんでしょうけど」
私古沢のことだけは口が軽いんですと前置きをする。
「古沢のおばあちゃん、相当苦労して古沢のこと育てたみたいです。親孝行というか、おばあちゃんを楽させるためにがむしゃらに都内で働いてお金貯めてたみたいなんですけど、そのおばあちゃんに振られちゃったらしいです。“自分は東京に行かない”とか“そのお金は受け取れない”って。その振られた数日後におばあちゃん亡くなってるんですよ。それが入社三年目くらいじゃなかったかなぁ。その頃まではまともに話したことがなかったんですよね、古沢とは。私も積極的に関わろうとは思わなかったし」
そのきっかけは古沢にとって不名誉だと思うので濁しておく。
マスターもなにかを察してか、掘り下げることをしなかった。
「だから古沢は、おばあちゃん孝行したくて、したくて、したいんですよ。だからおばあさんがその代わりをしてくれると、古沢も助かるんじゃないかなぁって思います」