ユウウコララマハイル
マスターはイツキが産まれてすぐ、黒かった髪を脱色して同じ色に似せたそうだ。
それは憧れた祖母の髪色だったし、これから降りかかるだろうイツキの未来を危惧してのことでもあった。
祖母もその外見ゆえに迫害のような扱いも受けることがあり「ハルさんとイツキの生まれた時代が違うから、無用な心配かもしれないけど」と、以前話してくれたことがある。
『信じるのが難しいかもしれないけど、産まれたとき、あの子の背中に羽があったんだよ。だけど翌日にはなくなっていて、代わりにその場所に痕が残っていたんだ』
カケルの背中にも、ちょうど肩甲骨辺りに猫より大きい獣に引っかかれたような傷痕が二本ある。
この傷は怪我をしたわけではなく、やはり産まれついてのものだ。
イツキとは違ってそれを証言してくれる人がいないから、自分にも羽があったのか確認する術はない。
その話をたまたま同席していた中村も聞いていて、「やっぱり古沢、天使なんじゃーん」と陽気に眩しく笑っていた。
それは憧れた祖母の髪色だったし、これから降りかかるだろうイツキの未来を危惧してのことでもあった。
祖母もその外見ゆえに迫害のような扱いも受けることがあり「ハルさんとイツキの生まれた時代が違うから、無用な心配かもしれないけど」と、以前話してくれたことがある。
『信じるのが難しいかもしれないけど、産まれたとき、あの子の背中に羽があったんだよ。だけど翌日にはなくなっていて、代わりにその場所に痕が残っていたんだ』
カケルの背中にも、ちょうど肩甲骨辺りに猫より大きい獣に引っかかれたような傷痕が二本ある。
この傷は怪我をしたわけではなく、やはり産まれついてのものだ。
イツキとは違ってそれを証言してくれる人がいないから、自分にも羽があったのか確認する術はない。
その話をたまたま同席していた中村も聞いていて、「やっぱり古沢、天使なんじゃーん」と陽気に眩しく笑っていた。