ユウウコララマハイル
アイツのことだから、そんな詰めが甘いことはしないだろう。
俺が夕方まで帰らないと言ったから、素直に信じたのだろうか。


「まぁ、見られて困るようなものはないし、たぶん」


あるにはあるけれど、さすがに中村は天袋まで開けないだろう。
その証拠に脚立がこの部屋にないし、背伸びして下ろせるようなものをそこに置いていない。


カケルは部屋をそのままにして、押入れから裁縫箱を持ち出した。


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