〈BL〉一時の幸福(しあわせ)〈短編〉
『ごめんね、大丈夫だった?』

万が一、何処か痛めてたら大変だ。

「大丈夫」

それだけ言って、仲間の所に
走っていく
少年を見てホッとして
トイレに向かった。

二分後、トイレから出ようと
した時、さっきぶつかった少年の
仲間の一人が入って来た。

今度はぶつからないように
気をつけて歩いていたのだが
突然、腕を捕まれて
中に引っ張られて連れてかれた。

俺も運動神経は悪くない方だが
家に籠りっきりだったのと
相手が十は下っぽいので
力に差がある。

「お兄さん、綺麗な顔してるね。
ちょっと、オレたちに
付き合ってくんない」

ニヤリと笑った彼を見て
本能的にヤバいと思った。

そして、個室に
連れてかれた俺は
数人の少年たちに
マワされた……

気絶するまでされたため、
今が何時なのかわからない。

「陽加‼」

顕正の声が聞こえてきたが
散々啼かされたせいで声が出ない。

それに、こんな姿を見られたくない。

男として、大人として
情けないよなぁ……

とりあえず、スマホを出して
行けなくなった旨をメールで送り
公園の裏から出て、
家まで全力で走った。

母さんたちは二泊三日の
旅行に今朝
出掛けて行ったから誰もいない。

一目散に風呂に向かった。

二時間後、顕正が家まで来た。
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