黙ってオレのモノになってね。


「る~を待たせるんだったら急いで出るんじゃなかった」


「そんな事無いよ。だってケガしてる猫を助けてあげたんでしょ?」


「そうだけど...っつ」


美神君が口に当てていたハンカチを取ると指を押し当てる。


「痛い?」
「ちょっと痛いかも?」
「治るかな?」
「キスしてくれたら治るかも」


美神君がイジワルな目をしてニカっと笑った。


その笑顔で全てチャラにしてみたいな雰囲気はずるいよ。


でも何もなくてよかった。


ちょっとだけ騙されたなんて思った自分が情けない。


だけど。


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