黙ってオレのモノになってね。



「えっと...」


美神君を上から見つめソファーに座り直し、聞こえない程度に深呼吸をする。


「そろそろ、オレ帰るわ」


え...もう帰るの?

どしよう、どうやって伝えたらいいの?


「あ、雨降ってるから風邪引かないでね」


「あ~る~も早く治せよ」


美神君がソファーから立ち上がると私の頭をポンポン叩き鞄を持った。


「か、雷が鳴りそうだね」
「怖いの?」
「全然、平気」


平気じゃないよ、雷怖いもん。


どうして、こんな時に限って雷が?


しかも美神君も帰るなんて言うのかな~せめて雨が止むまで傍に居てほしいのに。



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