黙ってオレのモノになってね。
隣に座ってる美神君は、足を組み換え髪をクシャリと掴んで
空を見つめてから軽いため息を吐き、私は、お弁当に入ってる人参をパクッと食べた。
「うん...」
「マジごめん、オレ人参がキライなんだ」
...え?
だって今までキライな物ないって。
この間なんて人参のケーキ作って持って来た時、美味しいって食べてたよね?
「ウソ?」
「マジホント」
それって私に気を使ってたって事?
「ごめん」
「き、気にしないで、私こそ気づかなくてごめんね」
「イヤ...」
イヤって何?