黙ってオレのモノになってね。
「香月今帰り?」
帰る準備をしてると教室に戻ってきた来栖くんが声を掛けてきた。
「うん」
「お前って方向音痴だよな~」
「ごめんなさい」
ショボンっとしながら来栖君を見るとヤレヤレみたいな顔をして私の頭をポンポン叩いた。
「大騒ぎになる前で良かったぜ、それより美神に礼言ったのか?」
早々...美神君のクラスに行ったんだけどいなくて来栖君に頼もうと思ってたんだ。
「あのね...来栖君から美神君に渡してもらえるかな?」
机の横にかけていた紙袋を手に取り来栖君の前に出した。
「本人に渡した方がいんじゃねえ?」
「...渡しに行ったんだけどいなくて」
「ちょっと待っとけよ」