ヒカリノトキ
「順番にくじ引いてねー」
4月から一度も席替えなんてしていなかったから
なんとなくクラスの中でも緊張感があった
私は
もうこれで、水島光のことを考えなくてすむかもしれない、とか
だけど席が変わっても、彼の席が見えてしまうかもしれない、とか
結局、彼と一言も話すことも声を聞くことも
またあの表情を見ることも、ないまま
終わってしまうのかな、と
思っている間に、もう私のくじを引く順番は回ってきて
どうしてくじを引くのに
今まであんなに力を込めたことはなかった
そして、気づいたの
私
まだ彼の、隣にいたかったって
「深木はまた水島の隣ー」