絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上
……あった!


住所からすると…ここだ!


豪邸を思わせるかのような、キレイで大きな家。


あいつの父親は大企業の社長だから、あまり家族で過ごすことはないのだろうと考えたりもした。


家族のことで、悩んでるんじゃないか…って。


インターホンを押す…。


早く……早く…!


『どなたですか?』

スピーカーごしに聞こえる声…母親か。


『一瀬……歩くんの担任の川上と申します!あの、今歩くんはどうしてますか…?』

…かすかにため息が聞こえる。


『寝てると思うわ…あなたさっき歩が電話したでしょう?休むって言いませんでした?』


寝てると……思う??


なんで……不確定なんだ?


この親は……何を言ってる?


『あがらせてください…。歩くんに会いたいんです…!』

今度ははっきりと聞こえるため息の音。


『なんて身勝手な教師なの……?いいわ、好きになさい。不審な動きを見せたら、警察呼ぶわよ…。』


この人は……本当に親なのか?
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