絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上
【僕がずっと悩んできたことは、僕が性同一性障害だということ。僕…異常なんだ。】

違う…お前は異常なんかじゃない!


【ずっと隠して生きてきたんだ。大変だったし、苦しかった…。ホントに苦しかったんだよ、先生…。】

一瀬っ……。

お前の苦しみは、俺じゃ計り知れないほど深いんだな…。

今までよく独りで抱え込んで生きてきたなぁ…。

頑張ってきたなぁ…。


【お母さんもお父さんもそれ以来、僕を見てくれなくなったんだ…。僕…すごく悲しかったよ…。親に見捨てられる気持ち、わかる?】

無意識に、口から嗚咽が漏れる。

苦しかったなぁ…


つらかったなぁ…

「…うぅっ…うっ…一瀬っ…!」


俺がもっと早くっ…


気づいてあげていれば…!
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