絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上
先生んちは本当に僕んちの近くだった。


学校にいく途中にある、白いアパート。


ここだったんだ…先生。


なんで気づかなかったんだろ…?


「おじゃまします…」


「どうぞ汚い所ですが…」

入ってみると、脱ぎ捨てている服とか、溜まっている洗い物とかで、なんだか一人暮らしの男の部屋ってカンジ。


まぁその通り、先生は一人暮らしなんだけど。


あちこち見回してると、先生が鼻の頭を触りながら言う。

「そんな露骨な反応するなよっ…。恥ずかしいじゃん。」

照れてるのかな……


先生面白い!


「大丈夫だよ!男の部屋ってこんなカンジじゃん!」

「ははは…まぁな。とりあえず、ソファーに座れ。」

そう言って先生は、お茶をだした。


「一瀬…俺さ、学校に戻らないといけないんだ…。まだ仕事終わってないし、部活にも行かなきゃいけない…。待っててくれるか?」

あ、そっか。


先生学校出てきたんだっけ。


僕のために…ごめんね…。


「うん…待ってるよ。先生バスケ部だよね!頑張ってきてっ!」


「ああ!何か口に入れたかったら、冷蔵庫空けてもいいからな。できるだけ早く帰ってくるから、それまで持ちこたえろ!」


そう言って先生は、ニカッと笑った。


先生が出ていく時に、いってきます。と言ったのがなんだか恥ずかしくて、いってらっしゃいが言えなかった…
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