絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上
先生の過去【先生side】
「……え?」
一瀬はポカンとしている。
それもそうだよな……。
でも……。
俺が殺したんだ。
俺が自殺に追い詰めてしまったんだ。
「…助けられなかった。あの時の俺は…なんにもわかっちゃいなかった…。」
誰にも話したことのない、俺の過去。
でもこの子…一瀬には。
話さなきゃいけない気がした。
俺の気持ちを察したのか、一瀬は
「聞くよ…先生。聞くまで帰らない。」
そう言うと、俺の目をしっかり見つめる。
「…俺がここの学校の新任になった時、桜井は二年生だった…。」
三年前……。
教師になりたての俺。
今でも鮮明に覚えてる。
あの時のことは…。