絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上
しばらくすると、客足が落ち着いてきて、ゆっくりできるようになった。


「マジ笑われたし…。こんなこともう二度とごめんだ。」


テーブルを拭きながら安西が言った。


「ははっ…でも思い出にはなったんじゃない?」


「…まぁな」


もうすぐ担当交代の時間だ。


ようやく自由になる。


そう思った時だった。


「間に合った〜!来たよアユム〜!!」


勢いよく教室に入ってきたのは、愛子だった。


「愛子!久しぶりだね」


「久しぶり。アユム本当にかわいいじゃん!写真撮ろっ」


べリーショートの髪型に、あっさりした性格の愛子は本当にカッコいい。


「…俊彦のことだけどさ。あんま気にしちゃダメだよ?あんな奴だなんて思わなかった」


「うん…大丈夫だよ。ありがとう愛子」


愛子は本当に優しい。


会わなくても、いつも心配してくれるんだ。


お姉ちゃんってこんな感じなのかな…?


「いけない!あたしクラス抜け出してきちゃったんだよね!行かないと…またねアユム!!」


愛子は手を振ると、教室を急いで出ていった。


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