大キライなアイツ。
「緊張してきた…」「お腹痛くなってきたわ笑」更衣室で着替え終わった私達は自分の受験番号を見に行った。「あ、あった」「まり何番?」「86番!」「あ、うち80番!近いね!」「えーずるい。なんでゆめだけ12番ではなれてるのー。」「誕生日順だからじゃない??ほらうちとまりは2月と3月で近いからね」「だからか!ゆめ6月だもん!」受験番号は誕生日順らしくて誰とやるかも当日までわからない仕組みになってる。私は85番と87番の人とやることになる。良い人だといいなぁ……。
男子と女子で分かれてるので男子と話すこともできず、お互いに終わるまで合格したかとかわからない。「これから開会式を始めます。受験者は集まってください」アナウンスが流れ、番号順に並ぶ。「あっ、よろしくお願いします。」「こちらこそ!」私の前後の人と挨拶を交わした。良かった…二人とも良い子そう。しかも87番の子は私と同じ地区の中学校で親近感がわいた。段審査では実技と筆記と形の三つ。実技で受かったら筆記。筆記で受かったら形。形で受かったら合格。というかたちになってる。実技でほとんどが落とされてしまうので難関なのだ。開会式が終わり番号順に並び待機する。「ゆめ大丈夫かな?」「あのこ本番に強いから大丈夫でしょ!」待ってる間あみと会話してる。
ゆめが終わり、あみがやってるなか私は並んでいた。やばい…すごく緊張してきた……本番に弱い私は緊張するとお腹が痛くなり、固まってしまう。「まり緊張すんなよ!リラックスリラックス」がちがちの私を見たゆめが声をかけに来てくれた。「う、うん。ねーゆめ、いつものあれやって」「おっけー!」そしてゆめは私の背中に平手打ちした。「頑張れ!」「ありがと!」向南中は代々試合前になると仲間の背中に平手打ちして気合入れるという伝統?的なのがあり、それのおかげで勝てたりすることが多い。よし。気合が入り私は精一杯の力を出し切った。
見事三人とも二段合格した。「良かったー!」「めっちゃ嬉しい!」三人で喜んでいると「三人とも合格した?」「あっ、江島達じゃん。合格したよ!そっちは?」「全員合格したよ。」「おぉ!よかったよかった。じゃあかえろー!」六人で帰ろうとした時、「ひろくん?」と見知らぬ人が話しかけてきた。