女子力ゼロ女子の恋愛物語
1話:女子力ゼロ女子の中身
突然だけど、私の毎日の生活をお教えしよう。
毎日髪の毛に寝癖のついたまま運動靴で学校へ行き、
毎日だるすぎる先生の授業を聞き、
毎日学校での唯一の楽しみである親友とのおしゃべりをし、
毎日帰ったらゲームをしながらスナック菓子を食べ、
毎日深夜に就寝をする。
え?悩みごとが無さそうな人生だなって?
いやいや、こんな私でも大きな悩みごとがあるんだよ。
実は私、ある男子のせいで
『女子力ゼロ女子』っていう地味に長いあだ名を中学1年生のときにつけられたんだ。
そのときから何かとちょっかいを出されて、
一気にそいつが嫌いになったんだよね……
私が言うのは何だけど、
私にも女子力あると思うんだよ!
眞鍋椛愛(まなべはな)っていう名前だって超女子力高い名前じゃない??
でもこの悩みごとも中学卒業したら無くなる!はず!!
4月、桜が満開になる季節。
私、眞鍋椛愛は昔の自分を捨て、新しい自分になっている…
訳がなく、親友の高橋七星(たかはしななせ)に
「高校生デビューするんだから、イメチェンとかするのかと思ったら普段通りって……笑笑」
と笑われた。
「イメチェンとか、恋してないのするわけないじゃん!」
「あ、恋で思い出したんだけどさ、たつって同じ高校らしいよ〜♪」
「えええっ!!最っ悪……」
「え?嬉しくないの?」
「嬉しいわけないじゃん!!」
「好きじゃないの?」
「っ!?そんなわけないでしょ!?」
「なぁんだ、てっきりもう付き合ってるのかと」
「ないないないない。あんなやつのこと好きになるわけがない。」
「へー?」
たつこと安藤達亮(あんどうたつあき)は、
あのあだ名をつけた張本人なんだ。
あいつといるとロクなことがないんだよね……
中学のときはずっと同じクラスだけど、まさか一緒の高校だったとは……
も、もしかして、同じクラス……なんてことはないよね……?
「椛愛〜!私達一緒のクラスじゃん!!」
「まじで!?っしゃぁぁぁ!!よかったぁぁぁ!!」
「あっ、たつも一緒のクラスだ!」
「っ!?!?」
うわぁァァしまったァァァ!!!!
あんなこと言わなければフラグ立たなかったのに……
と思っていたら急に誰かに腕で首を締められた。
「ぐえぇぇぇぇっ!!」
「そんなに俺と一緒じゃ嫌なのー?」
私は腕を振りほどいた。
「嫌に決まってんでしょ!?」
「まじかよ!もっと好かれるように頑張るわ〜笑」
お前じゃ一生無理だな!!
はぁ。せっかく七星一緒のクラスになれたのに
まさかこんなやつも一緒だったなんて……
萎えるわ……
4月、桜が舞い散る季節。
眞鍋椛愛の高校生活の初日は
波乱の幕開けとなってしまった。
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