諦められなくて


「愛乃ー!呼ばれてるー!」

同じクラスの咲月が私を呼ぶ。

教室の入口には、なんと、
あの人が…

「えっと…これ、バスに落としてない?」

先輩が見せたのは生徒手帳。

私は急いで胸ポケットに手をいれる。

…ない

先輩の手の中にあるのは、間違いなく私の生徒手帳。

「坂田…さん?」

「ひゃっ…えっ…あ…ッ…はいっ!?」

変な声を出してしまった。

「俺は3年の瀬尾柊哉。 よろしくな?」

「は…はい…ッ…えっと、坂田愛乃ですッ…よろしくお願いします…」

恥ずかしいーッ!

でも…

先輩の名前、ゲット!

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