RAINY


「君は…この学校の人?」

「…」

私は黙って頷く。


「そっか!安心したよ…ここのコト,よく知らなくて,迷ってたんだ!」

「……υ」

「あ,君の名前は??」


…よく喋る男だ…


「篠崎怜衣」


だが,名乗っといた方が,特だろう。


「レイちゃんね…」


ケイは「OK!」

と言って,何処かへ行ってしまった。


―ひた…


レイニーは…私にもう追いついたみたいだ。


「………ここで…終わりか…」


目を閉じ,レイニーが来るのを待った。


―ひた…


だが,ある程度は抵抗しないと面白くない。


…それが,最後に出来る唯一の楽しみだ。


…ゲーム感覚で最後を過ごしたい。

―コツ

―ぺた

―コツ

―ぺた

私のブーツの音…
レイニーの素足の音…

―コツ

―ぺた

―ぴちゃ

―ひた

…ぴちゃ…?
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