君の声


ジャージで宮村家に向かう。
母子家庭と言えど医者の雅子さんの稼ぎは多く、宮村はちょっとリッチなマンション暮らしだ。


「うわっ」

一階でエレベーターを待っていた。
そしたら、そのエレベーターから降りてきたのは、私が会いに来た宮村ご本人だった。

宮村も驚いた様子で、どうしたの、と口をパクパクしている。

「あんたが充電器忘れてたから持って来た」

ポケットから取り出して渡すと、宮村は笑って、ありがとう、と口を動かした。

< 12 / 50 >

この作品をシェア

pagetop