気まぐれ猫系御曹司に振り回されて
(はあ、どうにか間に合った)
凜香は来客用駐車場に駐めて、エントランスに向かった。オートロックパネルで彼の部屋番号の二三〇一号を押す。すぐにインターホンが接続するカチリという音がした。
「あ、七瀬さん、おはようございます」
モニタに映っているのだろう、凜香が口を開くより早く透也の声が聞こえてきた。
「おはよう。来客用駐車場に駐めてるから、準備ができたら下りてきて」
「わかりました」
凜香は車の横に戻って、駐車場をぐるりと見渡した。自走式駐車場には高級マンションらしく、BMWやアウディを始めとして高級車が数多く駐まっている。
(葛木くんの思考回路が私と違うのは、お金に余裕があるからなのかな)
そう思って首をひねる。
(いや、でも、昨日彼が提出した〝ミミズ・コンポスト〟の企画は、お金持ちだろうが庶民だろうが、やっぱりないわ。いくら家庭で有機ゴミの削減を体験できるからって……ミミズはねぇ……)
凜香は小さくため息をついて、バッグの中から新しいショコラ・レーヴの箱を出した。フタを開けてトリュフを一粒取り出し、口に含む。
「はぁん……おいし……」
凜香は来客用駐車場に駐めて、エントランスに向かった。オートロックパネルで彼の部屋番号の二三〇一号を押す。すぐにインターホンが接続するカチリという音がした。
「あ、七瀬さん、おはようございます」
モニタに映っているのだろう、凜香が口を開くより早く透也の声が聞こえてきた。
「おはよう。来客用駐車場に駐めてるから、準備ができたら下りてきて」
「わかりました」
凜香は車の横に戻って、駐車場をぐるりと見渡した。自走式駐車場には高級マンションらしく、BMWやアウディを始めとして高級車が数多く駐まっている。
(葛木くんの思考回路が私と違うのは、お金に余裕があるからなのかな)
そう思って首をひねる。
(いや、でも、昨日彼が提出した〝ミミズ・コンポスト〟の企画は、お金持ちだろうが庶民だろうが、やっぱりないわ。いくら家庭で有機ゴミの削減を体験できるからって……ミミズはねぇ……)
凜香は小さくため息をついて、バッグの中から新しいショコラ・レーヴの箱を出した。フタを開けてトリュフを一粒取り出し、口に含む。
「はぁん……おいし……」