気まぐれ猫系御曹司に振り回されて
「それはよかったわね。がっかりしたでしょ」
「どうして?」
「だって……」
透也の疑問に答えようとしたが、答えは見つからなかった。
(だって……なんだろ。私、なんでいつもイメージにこだわって、肩肘張って仕事してるのかな。十センチヒールだって本当は好きじゃないのに)
そう考えて気づいた。少しでも〝できる女〟に見せたかったからだ。
(成功させる企画を考えて当たり前だって思い込んでたからだ)
イメージにがんじがらめになっていたのは自分の方だったのかもしれない。
(失敗を恐れすぎてたかも。透也くんみたいな大胆さを忘れかけてたかな~)
とはいえ大胆すぎて突拍子もないことをする男の方を見ると、彼は本当に凜香の唐揚げをおいしそうに頬張っていた。目が合って大きな笑顔になる。
「ふまひ」
凜香は思わず噴き出した。
「何言ってんの」
透也がしばらくもぐもぐやって飲み込んでから言う。
「〝うまい、嫁さんにしたいくらいだ〟って言ったんだ」
「それは絶対に違う。三文字だったから」
凜香が言うと透也が「バレたか」と笑った。つられて凜香も微笑む。
(なんか……楽しいな)
「どうして?」
「だって……」
透也の疑問に答えようとしたが、答えは見つからなかった。
(だって……なんだろ。私、なんでいつもイメージにこだわって、肩肘張って仕事してるのかな。十センチヒールだって本当は好きじゃないのに)
そう考えて気づいた。少しでも〝できる女〟に見せたかったからだ。
(成功させる企画を考えて当たり前だって思い込んでたからだ)
イメージにがんじがらめになっていたのは自分の方だったのかもしれない。
(失敗を恐れすぎてたかも。透也くんみたいな大胆さを忘れかけてたかな~)
とはいえ大胆すぎて突拍子もないことをする男の方を見ると、彼は本当に凜香の唐揚げをおいしそうに頬張っていた。目が合って大きな笑顔になる。
「ふまひ」
凜香は思わず噴き出した。
「何言ってんの」
透也がしばらくもぐもぐやって飲み込んでから言う。
「〝うまい、嫁さんにしたいくらいだ〟って言ったんだ」
「それは絶対に違う。三文字だったから」
凜香が言うと透也が「バレたか」と笑った。つられて凜香も微笑む。
(なんか……楽しいな)