気まぐれ猫系御曹司に振り回されて
「ありが……」
凜香の口から出かかった礼の言葉は、彼が凜香の肘に唇を押しつけたので、それ以上出てこなかった。水を浴びて冷えた肌に、透也の温かな舌が柔らかく触れる。
「な、に、してるの」
鼓動が速まり、喉がカラカラになって凜香の声はかすれていた。
「舐めとけば治るって凜香が言ったから」
「言っ……たけど、そういうのは言葉の綾で……本気で舐める人なんて知らない……」
凜香の腕をつかんだまま、透也が舌を二の腕へと這わせていく。体の奥が疼くようにじんじんしてきて、彼を振り払いたいのに、凜香は身動きできなくなっていた。
「透也く……」
凜香のTシャツの袖に触れて、彼の舌がようやく動きを止めた。凜香の心臓はドキドキを通り越してバクバクと激しく打っていて、今にも卒倒しそうだ。
凜香がくずおれないようその腕をつかんで透也が低い声で言う。
「ずっと凜香の素顔が知りたかったんだ」
「そ……そう」
凜香は赤く染まった頬を見せまいと顔を背けた。
「化けの皮が剥がれちゃったわね。これで満足? 素顔の私なんておもしろくも何ともないでしょ」
「おもしろいよ」
凜香の口から出かかった礼の言葉は、彼が凜香の肘に唇を押しつけたので、それ以上出てこなかった。水を浴びて冷えた肌に、透也の温かな舌が柔らかく触れる。
「な、に、してるの」
鼓動が速まり、喉がカラカラになって凜香の声はかすれていた。
「舐めとけば治るって凜香が言ったから」
「言っ……たけど、そういうのは言葉の綾で……本気で舐める人なんて知らない……」
凜香の腕をつかんだまま、透也が舌を二の腕へと這わせていく。体の奥が疼くようにじんじんしてきて、彼を振り払いたいのに、凜香は身動きできなくなっていた。
「透也く……」
凜香のTシャツの袖に触れて、彼の舌がようやく動きを止めた。凜香の心臓はドキドキを通り越してバクバクと激しく打っていて、今にも卒倒しそうだ。
凜香がくずおれないようその腕をつかんで透也が低い声で言う。
「ずっと凜香の素顔が知りたかったんだ」
「そ……そう」
凜香は赤く染まった頬を見せまいと顔を背けた。
「化けの皮が剥がれちゃったわね。これで満足? 素顔の私なんておもしろくも何ともないでしょ」
「おもしろいよ」