気まぐれ猫系御曹司に振り回されて
「成樹くーん、そろそろ帰るね~」
「うん! またね~!」
成樹やその友達が一瞬手を振ったが、すぐにまた遊びに戻った。
「遊んでばかりだな」
透也の言葉に凜香がクスッと笑って言う。
「子どもは遊ぶのが仕事、よ」
「そうか」
当然一緒に帰るものだと思っていたのに、凜香はリュックサックを肩にかけて透也に向き直る。
「じゃ、また明日、会社で会いましょう」
そう言ってバス停に向かって歩き出そうとするので、透也はあわてて呼びとめた。
「俺、車で来たから送るよ」
「でも……」
凜香が迷うように視線をさまよわせた。「透也くんはきっと高級車に乗ってるんでしょ。汗臭くしちゃったら悪いから私はバスで帰る」
「凜香の汗のにおいなら気にならない」
透也の方は本気で思っているのだが、凜香がたじろいで頬を染めた。
「や、やめてよ、もうへんた……」
変態、と言いかけて口をつぐんだ。また透也に〝凜香ほどじゃない〟と言わせないためだろう。
凜香が腰に手を当てて透也を見上げる。
「うん! またね~!」
成樹やその友達が一瞬手を振ったが、すぐにまた遊びに戻った。
「遊んでばかりだな」
透也の言葉に凜香がクスッと笑って言う。
「子どもは遊ぶのが仕事、よ」
「そうか」
当然一緒に帰るものだと思っていたのに、凜香はリュックサックを肩にかけて透也に向き直る。
「じゃ、また明日、会社で会いましょう」
そう言ってバス停に向かって歩き出そうとするので、透也はあわてて呼びとめた。
「俺、車で来たから送るよ」
「でも……」
凜香が迷うように視線をさまよわせた。「透也くんはきっと高級車に乗ってるんでしょ。汗臭くしちゃったら悪いから私はバスで帰る」
「凜香の汗のにおいなら気にならない」
透也の方は本気で思っているのだが、凜香がたじろいで頬を染めた。
「や、やめてよ、もうへんた……」
変態、と言いかけて口をつぐんだ。また透也に〝凜香ほどじゃない〟と言わせないためだろう。
凜香が腰に手を当てて透也を見上げる。