まだ一緒にいたかった。




「何飲む?」


「ココア。」


公園の前の自販機で温かい飲み物を買って、ベンチに腰掛ける。


「……俺、紗梨とずっと一緒にいられますように、って、願ったんだ。」


「……えっ?」


「叶うわけ、ないのにな……。」


「……永真。」


「“ずっと”なんて、無理なのに……。」


悔しそうにうつむく永真。
あたしは、無意識に永真を抱き寄せた。



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