まだ一緒にいたかった。




[翌日]


永真と一緒に、大学までやってきた。

初の講義も無事終わり、食堂で昼食を取ろうとしていたときだった。


「葉山さんっ。」


不意に声をかけられ、振り返る。

そこにいたのは、あたしが落としたハンカチを拾ってくれた、女の子だった。


「あ、さっきの。」


「はいっ!
葉山さんともっとお話したいな、と思ったんですが、邪魔ですよね……?」


「俺は構わないよ、紗梨。」



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