まだ一緒にいたかった。




「なんで紗梨なのっ?
なんであたしじゃなくて、あんな子なのっ?」


「お前友達なのに、紗梨のこと、そういうふうに言うんだ?」


「友達なんかじゃない。
あたしは永真くんに近づくために、紗梨と友達のフリしてただけ。」


「はぁ?そういうヤツ、まじ無理。
金輪際、俺と紗梨の前に現れんな。」


いつもより低い声でそういう。


「……永真。」


気づいたら、声を出していた。



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