まだ一緒にいたかった。




「……紗梨、よく頑張ったな。」


「……うん。」


永真は、すこし苦しそうな顔をしていた。
でも、笑顔を作って、微笑みかけてくれた。


「子ども、抱いてみてください。」


看護婦さんに言われ、あたしと永真が一人ずつ抱く。


「ちっちゃくて可愛い。
生まれてきてくれて、ありがとう。」



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