恐怖メール
そう、もういないそれぞれの親が訴えたのは、ヒナちゃんでも、その親でもなく――




 ‘警察’。






  きっと、脱走させたからでしょう。ヒナちゃんは、それでもいつも辛い顔をしていた。






       「…………お兄ちゃんをいじめた人。その人、メール……してた」
ヒナちゃんは途切れとぎれに私にもう一度話しだした。その話が親にも聞こえたらしく、寄ってくる。









「……その人が、お兄ちゃんに謝れば――全てが、終わる」



そう、ヒナちゃんは言った。












私は、それで全てが終わるのなら、とその人たちを探すことを始めた。


次の被害者が、侵食されていることも知らずに。



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