王子様、拾いました。


あれから。

私たちは無事に進級し、4回生になった。

来年には、社会に羽ばたかないといけない私たち。




シロは日本最大手の化粧品メーカー、『プチ・リス』の後継者らしく、卒業後の入社が決定しているらしい。

今までそんな話を聞いたことがなかった私たち。

「なんで言ってくれなかったの~!?」という抗議の声にもどこ吹く風。

そんな将来の決まっているシロは、大学院へ進んでこれからも研究を続ける蒼くんと、最近妙に仲がいい。

実は結構星を見るのが好きだったシロが、蒼くんと意気投合したのだ。

おかげで、自分の友達を取られたみたいで、最近クロの機嫌が悪い。

朱音は「それだけじゃない」って言うけれど、就活の疲れとかも溜まっているのかな?

って言ったら、朱音には盛大なため息をつかれちゃったけど。




藍ちゃんも、蒼くんと同じく大学院へ進むみたいで。

まだまだ男の人に恐怖心が残る藍ちゃんだけど、私のおせっかいでシロやクロと一緒に遊ぶうちに、彼らへの恐怖心はなくなってきたみたい。

こうやって、少しずつでいいから、藍ちゃんの恐怖心がなくなって。

そしていつしか、素敵な人と恋愛できればいいなって思ってる。




美空さんとは、何回か遊ぶうちにすっかり仲良くなって。

今ではお互い名前で呼ぶ仲になっている。

仲良くなって思うけど、やっぱり千裕はかっこいい。

外見だけじゃなくて中身も素敵で、女性として憧れる部分をたくさん持っている。

少しでもそのいい部分を盗めたらいいな、ってこっそり私は思ってたりするんだ。




< 41 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop