SECOND プリキス!!
一年・秋
新しいクラスメイト≠転校生
呼ばれて行った生徒会室。
入ると直ぐに目に付く木製の机の上には大量の書類が積み重なっている。
椅子に腰掛け、待ち構えるのはお姉ちゃんだ。
肩まで伸びたさらさらな髪。檎色の艶やかな唇。
切れ長な目は、何だか憂いを帯びていて。
「どうかしたの?お姉ちゃん、何か疲れてない?」
「馬鹿理事長のせいよ……。あんの野郎、いい歳して何が“楽しい事が好きなの”よ。見た目かわい子ぶっても中身アラフォーのおっさんなのは知ってるのよ!」
……憂いを帯びているどころじゃない。
かなり荒ぶっているよ……。
夏休みも終わり、今日から新学期。
今は始業式が終わって、ロングホームルームの時間。
担任の先生に、「会長がお呼びですよ」と言われ来たのだ。
珍しい事、だと思う。
だって私はお姉ちゃんの妹とは言え、ただの一生徒。
お姉ちゃんに用事があるから私が生徒会室に行くのはあっても、授業中に“会長”に呼ばれたことなんてない。
自然と身構えしていると、お姉ちゃんはくすりと笑う。
「緊張しなくてもいいのよ。1年生を代表して初伊が呼ばれただけだから。」
「何の代表?」
「今日からカナンの学び舎で通う1年生が一人増えるのよ。仲良くしてほしいの。初伊、一年を牛耳っているでしょう。」
「……お姉ちゃん、誤解。ソレ、チガウ。ワタシ、チガウ。」
思わずカタコトになる。
牛耳った覚えはない。
事実、私は松竹さん陣営に嫌われているし。
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