四季物語~甘く切ない四人の高校生~
静かな廊下、日が当たらないここは夏でも涼しいが今は真逆の冬のようなオーラをだしている。
「間に合ってよかったな」
神守が声を出す
しかしその声にいい感情は含まれていない。
「えぇ、もし殴っていたら退学よ」
彼女もいい感情で言っていない。
「処遇どうするんだ」
「私は言うだけよ、考えるのは先生方だわ」
瞳を閉じる
そしてゆっくりと瞳を開ける
その様子を神守は何も言わず見る。
「あの1年生どうしようかしら」
「…もしあいつが乗る気なら生徒会にでもいれたらどうだ、生意気ぐらいがちょうどいいだろ」
神守はそう言い階段を駆け上がる。
「私が聞いてるのは処遇の方よ」
「手を出してねぇんだ、無理だろ。それにあのくらいの騒ぎを止められないサッカー部にも否もある。 」
そう言い髪をかきあげる。
さらさらと金色の髪が流れる。
「だけど…あんまりよ、それは」
久々に誰もが見てわかるような悲しい顔をする。
神守は思う
これがもし俺ら剣道部の不祥事であればこんな顔をしない。
いつも通りの冷たい女なのに
あぁ忌々しい、幼馴染みが絡むととたんにこんな顔になる、この女もこの表情をさせる幼馴染みも…
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