四季物語~甘く切ない四人の高校生~
「雨だ、急いで中入れよ」
本堂の声で部員たちは、屋根のある場所に駆け足で駆け込む。
「あータオル忘れた」
ふわふわなタオルが愛おしい、彼女はもってるだろうか?
「本堂先輩どこに行くんですか?」
自然と足が動いていたことに気づく
「便所」
と言って彼は歩いていった。
ノックもしないでいきなり開ける、どうせ彼女ぐらいしかいないのだから
そう本堂は便所と行って、来た場所は生徒会室。
「夏未タオルー」
そうすると白いタオルを彼女がカバンから出した。
「ちゃんと、自分で持ってきなさいあなたは高3なのよ?自己管理ぐらい自分でしないと」
グダグダと言う言葉は聞き流す、どうせ同じことだ。
「今日は早く帰れるぜ、夏未」
「ごめんなさい、まだ仕事があるから」
「サボれ」
「生徒の模範がサボってはならないの」
こういうところ嫌いだ
「じゃあ先帰るからなー」
そうするとバタンと大きな音をたて去ってしまった。
「俺あいつ嫌いだな」
ボソリと神守は呟いた
それは誰にも聞こえないように
少し伸びをする
「疲れたなら、帰ってもいいのよ?」
遠まわしの気遣い
「いや大丈夫」
彼女の気遣いに感謝をした。
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