センターマイクの君へ(仮)

「ハル!風呂上がったの?長いから、そろそろ助けに行こうかと思ったのに」

 食器を拭き終え、鳥井はエプロンを脱ぎながらそう告げる。

「あぁ…、たまりにたまった疲れを落としてたから」
「そっか、締め切り明けだもんね」
「…それより、楽しそうだな二人は」


 不機嫌な兄は二人をジーっと睨みつけた。ルイは、楽しそうだなと言われれば確かに楽しいと思いニコっと微笑み兄を見つめた

「楽しいよ!」
「…嬉しいような、悲しいような…」

 苦笑いする鳥井は、冷蔵庫からビールを取り出すと機嫌を直してと言わんばかりに兄に渡した。それを受け取った兄は、ありがとうと呟くと蓋をあけゴクっと飲見込んだ。
 プハーと一息つくと、ルイをジーっと見つめる兄。

「どうしたの?」
「…シノブが来てよかったか?」
「え?」

 急な質問に、ルイは返事よりも先に驚きの言葉が出た。

「家でそんな楽しそうにすんの久しぶりだから…」
「…あ~、ハハ!確かに楽しいよ!トリが来てくれてよかった」
「そう、なら俺もよかったよ」


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