きなこ語り~キスの前、キスの後~
何がダメなのかと言うと。
ここ数年は、私が知る限りでは彼氏は居ないはずだけれど、それでも。
それなりにモテてきたみいちゃんは、
それなりに男の子と付き合っていたことだってある。
しかしながら。
たいていの場合、男の子から別れを切り出される。
「瑞季さぁ、ほんとに俺のこと好きなわけ?」
とか。
「俺と一緒にいるのに、心底楽しんでるように思えない。
そんなお前といるのが、つらい」
とか。
まあ、そんなようなことを言われて、最後にフラれてしまう。
例外で、浮気されたときは彼女から別れを告げているけれど、
それだって、浮気を問い詰めたときに言われたのは
「だって、瑞季よりあの子のほうが、俺のこと必要だと思ってくれてるから」
という言葉だったらしい。
ちなみに、
なぜ私が彼女の「恋バナ」の全てを、詳細に知っているかと言うと。
みいちゃんが「聞いてよー」の言葉とともに始める
お友達との長電話をだいたい聞いているということもあるけれど、
彼氏と別れて凹む彼女を、何日もかけて慰め、
愚痴を聞き続けているのは、他ならぬ私だからである。
閑話休題。
私は、そんな彼女を最初のうちこそ、不思議に思っていた。
私の顔を見るたびに
「きなこ、大好き!」
「きなこー、会いたかったー」
と言ってくれるみいちゃん。
こんなにも愛情豊かに接してくれるみいちゃんが、毎度毎度そんなふうに言われるなんて、
余程、彼女の彼氏に対する愛情表現は下手なのだろうか?
あるいは、彼女が好きで付き合うはずなのに、それを「好きなのかわからない」とか
言ってる男の子だって、少なからずおかしいんじゃないか、と。
もし、それが彼女の恋がすぐに終わりを告げてしまう理由なんだったら。
私は猫で、家族であって、恋人とは違うわけだから、
同じように接せられないのだと言われればそれまでなのかもしれないけれど、
それでも私に普段、言ってくれるみたいにしたら彼氏にだって伝わるのに。
それができないのかな、と。
だけどそれは、あるとき、間違いだとわかった。
彼女自身が頑なに、自分の想いを認めようとしてこなかっただけのことで。
ずっとずっと、彼女の心には颯太くんが居座っていたのだ。
だから、みいちゃんが何人かの男の子からもらってきた別れの言葉は、彼女が自分の想いからずっと逃げ続けてきた結果だった。
ここ数年は、私が知る限りでは彼氏は居ないはずだけれど、それでも。
それなりにモテてきたみいちゃんは、
それなりに男の子と付き合っていたことだってある。
しかしながら。
たいていの場合、男の子から別れを切り出される。
「瑞季さぁ、ほんとに俺のこと好きなわけ?」
とか。
「俺と一緒にいるのに、心底楽しんでるように思えない。
そんなお前といるのが、つらい」
とか。
まあ、そんなようなことを言われて、最後にフラれてしまう。
例外で、浮気されたときは彼女から別れを告げているけれど、
それだって、浮気を問い詰めたときに言われたのは
「だって、瑞季よりあの子のほうが、俺のこと必要だと思ってくれてるから」
という言葉だったらしい。
ちなみに、
なぜ私が彼女の「恋バナ」の全てを、詳細に知っているかと言うと。
みいちゃんが「聞いてよー」の言葉とともに始める
お友達との長電話をだいたい聞いているということもあるけれど、
彼氏と別れて凹む彼女を、何日もかけて慰め、
愚痴を聞き続けているのは、他ならぬ私だからである。
閑話休題。
私は、そんな彼女を最初のうちこそ、不思議に思っていた。
私の顔を見るたびに
「きなこ、大好き!」
「きなこー、会いたかったー」
と言ってくれるみいちゃん。
こんなにも愛情豊かに接してくれるみいちゃんが、毎度毎度そんなふうに言われるなんて、
余程、彼女の彼氏に対する愛情表現は下手なのだろうか?
あるいは、彼女が好きで付き合うはずなのに、それを「好きなのかわからない」とか
言ってる男の子だって、少なからずおかしいんじゃないか、と。
もし、それが彼女の恋がすぐに終わりを告げてしまう理由なんだったら。
私は猫で、家族であって、恋人とは違うわけだから、
同じように接せられないのだと言われればそれまでなのかもしれないけれど、
それでも私に普段、言ってくれるみたいにしたら彼氏にだって伝わるのに。
それができないのかな、と。
だけどそれは、あるとき、間違いだとわかった。
彼女自身が頑なに、自分の想いを認めようとしてこなかっただけのことで。
ずっとずっと、彼女の心には颯太くんが居座っていたのだ。
だから、みいちゃんが何人かの男の子からもらってきた別れの言葉は、彼女が自分の想いからずっと逃げ続けてきた結果だった。