【死選】
3年の夏休み
私のサッカーにかけた青春が終わった時


私は、今まで全く気にしなかったものに気付く
それは異性である


サッカーに打ち込んでいた時は、女性など全く、なんとも思わなかった


その女性とは、同じサッカー部で同学年のマネージャーの子であった


マネージャーといっても、サッカー部
夏でも日のあたる場所にいて、部員の給水やボール拾いまでする


当然、体は真っ黒に日焼けし
その日焼けも、サッカー部男子も顔負けする程である


このマネージャーの子も地元であったため
今までも私はよく、一緒に帰っていた


その時は、同学年のサッカー部のマネージャーとしてでしか見ていなかった


私のサッカー青春が終わった時
しかし彼女も、そのサッカー部マネージャーとしての青春が終わったのである


そして夏休み
私は彼女を映画に誘い
高校生最後の夏を楽しく過ごす事にした


彼女は、オッケーし
都内の映画館へ電車で出掛ける約束を取り付けた


私の女性との初デートである


しかしこれが、よくなかった

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