【死選】
数年の月日が流れた
ついに彼が姿を現した


私の祖父を殺した時は
彼は、まだ少年であった


ハタチを過ぎ、大人になった彼は、不精ヒゲを生やしていた


見た目は、まだまだ子供である
甘やかされて育てられたのであろう


目は吊り上がり
頬はふっくら
さらに、にやけた顔が私の憎しみを増大させた


彼を殺さなければ


彼には、この死に方以外、選択の余地はないと常日頃から思っていた


私は、実行に移すチャンスを待った


そして、その日が訪れた

< 40 / 61 >

この作品をシェア

pagetop