【死選】
その事故後、私は母方の実家に預けられた


死という事を3歳の子供には、理解出来るはずもなく


泣きじゃくる私に祖父祖母は
みんなは旅行に行っていて、しばらくは帰って来ないと納得させていた


幼い頃の私は素直なもので、それを信じていた


しかし時が経つにつれ、また周囲の噂話も耳に入り
子供ながら、家族の死を受け入れた
父母姉には、もう会えないと


祖父は、父の代わりを
祖母は、母の代わりを
必死に努力していた


私は、愛情いっぱい注がれ育てられた
幼い頃は、それでよかった


好きなおもちゃ、美味しいお菓子
同年代の子供と遊び笑い
家族の死を忘れられた


家族の死を受け入れ、お墓参りもした
祖父の真似をし、一緒に手を合わせ、花を供えた覚えがある


それも本当に、幼い内だけだった
小学生になった頃
授業の母親参観日に、私だけは祖母がきた


私には、母がいないと、つくづく悲観したのだろうか


突然私は、自殺を実行したのである

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