【死選】
私は落ちながら、死のカウントダウンを数えた


4階は音楽室
昼休みという事もあり、誰もいない


古びたオルガンに
怖い顔したどこかの外国音楽家の絵画が見える


私は音楽が苦手であった
クラスで唄う歌は、口パクでごまかしたものである


3階は6年生のクラス
学校では通常、高学年が上の階となる


クラスまでは分からなかったが
硝子越しに、男の子どうしがじゃれ合っているのが見えた


また、宿題を忘れてたのか
他の子のノートを必死に写している女の子もいた


しかし、私の姿には誰も気が付かない


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