雨上がりの空に。
ハンガーからセーラー服をとり、ゆっくり袖を通した。
少し匂いが気になるけど、そんなのどうでもいい。
モデル気分で鏡の前で回りながら、ポーズを決めてみる。
ガチャ――……
「姉ちゃん、ご飯。……って何やってんの?大丈夫?」
「拓海(タクミ)……ノックぐらいしてよ!」
小学六年生になる弟の拓海はデリカシーが全くない。
勝手に部屋に入ってくるわ。
彼氏と別れても笑うわ。
本当に厄介な弟。